
1915年にアインシュタインは、「一般相対性理論」と呼ばれる重力の理論を 発表しました。この理論は、‘光の軌道が重力により湾曲する’という驚くべき 予言を含んでいました。
この予言は、1919年にエディントンの観測によって確かめられました。 エディントンは、皆既日食の機会を利用して太陽の方向にある星の位置を観測し、 6ヵ月後太陽がその星の反対側に来た時に再度同じ星の位置を測定しました。 この二つの測定を比較して、太陽の重力の光に対する影響を調べ、一般相対性理 論の予言を見事に検証したのです。
この様に、重力は光の軌道を湾曲させ、湾曲の程度は重力が強いほど大きくな ります。この考えを押し進めて行くと、有名なブラックホールやここで説明する 重力レンズにたどりつきます。
ここでは重力レンズの原理について説明し、いくつかの観測例を紹介します。
重力レンズによって生じる像の位置や明るさ、時間変化等を調べると、宇宙の構造
(物質の量や分布等)によって決まるハッブル定数や宇宙密度パラメータの決定が
可能であると考えられています。このため、この現象は観測的宇宙論で最も注目を
集めている現象の1つとなっています。